![]() 眼疾患の治療のための黒大豆の使用
专利摘要:
網膜色素上皮(RPE)障害に関連する疾患または障害の治療方法であって、そのような治療方法を必要とするヒトに有効量の黒大豆(Glycine max (L.) Merr) 産物を投与することを含んでなり、黒大豆産物が黒大豆の種皮、または黒大豆のもしくは黒大豆種皮のアルコール抽出物である、治療方法を提供する。 公开号:JP2011513316A 申请号:JP2010548810 申请日:2009-02-20 公开日:2011-04-28 发明作者:ウー・ロン−ツン 申请人:ウー・ロン−ツンWU, Rong−Tsun;ワン−ツ・リアオ・リューWan−Tzu Liao LIU; IPC主号:A61K36-48
专利说明:
[0001] (原文に記載なし)] 背景技術 [0002] 黒い種皮を有する大豆の一種である黒大豆(Glycine max (L.) Merr)は、長年、健康食品や中国の伝統的な医薬におけるハーブとして利用されており、薬効が長年研究されている。いくつかの中国の医薬書には黒大豆が解毒剤、抗炎症薬および血液栄養素として用いられる旨が記載されている。] [0003] 特に、黒大豆の植物化学物質は、マウスにおいて移植可能なヒト膀胱癌の増殖および腫瘍の血管新生を阻害し(Zhou JR et al., Cancer Res. 58(22):5231-81999,1998);抗酸化活性を示す黒大豆は、低比重リポタンパク酸化を減少し、酸化関連疾患の予防に重要な役割を担いうる(Takahashi. R et al, J Agric Food Chem., 53(11):4578-82, 2005)。] [0004] 網膜色素上皮(RPE)は、網膜の表層の単層細胞であり、Bruch膜と光受容体の間に存在する。RPEの上部の絨毛プロセスは光受容体の外節に結合しており、RPEの底部の基底陥入はBruch膜を介して脈絡膜と結合している。RPEは、毒性の物質および脈絡膜と網膜の代謝物を除去または効果的に輸送することができるため、RPEは血液網膜関門を形成している。さらに、RPEは、光受容、光刺激により桿状体細胞および錐状体細胞から分離した外節の貪食、ファゴソームの異化、細胞外マトリクスおよびメラニンの合成、薬物の解毒、光受容体の外節の再生に必須な成分の提供、ビタミンAの貯蔵および輸送、ロドプシンの合成、および網膜の吸着力の形成等の多くの機能を有する (Wenzel et al., Progress in RetinalおよびEye Research 24: 275-306, 2005)。] 発明が解決しようとする課題 [0005] 統計によれば、ラットのRPEは、一日の光刺激による桿状体細胞および錐状体細胞から分離した25000の外節を除去することができ、これは高頻度の食作用代謝の重要性を明白に示している(MayersonおよびHall, The Journal of Cell Biology, 103:299-308, 1986)。RPEの正常な食作用は網膜における光受容体の健康を維持するために非常に重要な役割を担っている。一旦RPEの食作用の能力が低下すれば、光受容体の変性が生じる(Wenzel et al., Progress in RetinalおよびEye Research 24: 275-306, 2005)。従って、RPE機能を維持することは視覚系にとって非常に重要である。これまでのところ、RPE障害に関連する疾患/障害の良好な治療法はない。] 課題を解決するための手段 [0006] 本発明は、黒大豆(Glycine max (L.) Merr)の産物が、食作用の能力等のRPE機能を高める予想外の効果を有するという発見に基づく。] [0007] 従って、本発明の一態様は、網膜色素上皮(RPE)障害に関連する疾患または障害の治療方法であって、そのような治療方法を必要とするヒトに有効量の黒大豆産物を投与することを含んでなる治療方法に関する。本発明の実施形態では、黒大豆産物は黒大豆の種皮または黒大豆のまたはその種皮のアルコール抽出物である。] [0008] 本発明の更なる態様は、有効量の上記黒大豆産物で細胞を処置することによりRPEの食作用を高める方法に関する。] [0009] 本発明の1またはそれ以上の実施形態の詳細は、以下に記載する。本発明の他の特徴または利点は、以下のいくつかの実施形態の詳細な説明と請求の範囲から明らかである。] [0010] 上記の要旨、並びに以下の本発明の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばよく理解されるであろう。本発明を説明すること目的として、現在の好ましい実施形態を図面に示す。但し、本発明が、示された具体的な配置や手段に限定されないことは当然理解される。] 図面の簡単な説明 [0011] 図1Aおよび図1BはRPEの食作用に対する黒大豆抽出物の効果を示す。抽出物(BG35E)は黒大豆を35%(v/v)エタノールで抽出することにより調製した。*はP<0.05;**はP<0.01;***はP<0.001を示す。] 図1A 図1B [0012] 図2Aおよび図2BはRPEの食作用に対する黒大豆抽出物の効果を示す。抽出物(BGSC35E)は黒大豆の種皮を35%(v/v)エタノールで抽出することにより調製した。*はP<0.05;**はP<0.01;***はP<0.001を示す。] 図2A 図2B [0013] 図3Aおよび図3Bはそれぞれ、黒大豆抽出物(BGSC35E)で処置した眼科的欠陥を有するマウスのa波およびb波を示す。a波およびb波は網膜電図(ERG)によって測定した。*はP<0.05;**はP<0.01;***はP<0.001を示す。] 図3A 図3B [0014] 図4Aおよび図4Bは、黒大豆の種皮から調製した黒大豆産物(BGSC)で処置した眼科的欠陥を有するマウスのb波を示す。b波はERGにより測定した。*はP<0.05;**はP<0.01;***はP<0.001を示す。] 図4A 図4B [0015] 本明細書において用いる以下の用語は、請求の範囲および明細書をよく解釈するために用いられる。] [0016] 本明細書において用いられる冠詞「a」および「an」は、その冠詞の文法上の対象の1または1以上(即ち、少なくとも1)を意味する。例えば、「an element」は1つのelementまたは1以上のelementである。] [0017] 本明細書において用いる「黒大豆のアルコール抽出物」なる語は、黒大豆またはその種皮を、アルコールを含有する溶媒(例えば、10〜100%(v/v)の濃度でエタノールまたはメタノールを含有する溶媒)で抽出することにより調製された抽出物を意味する。] [0018] 本明細書において用いられる「網膜色素上皮(RPE)」は、網膜視細胞に栄養を与えている神経感覚網膜の直ぐ外側の色素細胞層を意味し、脈絡膜の下と網膜視細胞の上に強固に接着している。RPEは、色素顆粒が密に詰まった六角形の細胞の単層からなり、1日につき約30〜100ディスクの回転率で、廃棄されたディスクの貪食および消化が行なわれている。] [0019] 本明細書において用いる「網膜色素上皮の障害に関連する疾患または障害」なる用語は、RPEの食作用の能力の低下またはトランスレチナールの異性化等のRPE障害に関連する疾患または障害を意味する。RPEの機能が低下または失われると、網膜細胞はアポトーシスを受け、その下層にある支持組織から剥離し、視覚機能の喪失、失明、網膜剥離または血液網膜関門漏出に至る(Martin L. Katz, Arch Gerontol Geriatr., 34(3):359-70, 2002)。網膜色素上皮障害に関連する障害としては網膜色素上皮の剥離等の網膜剥離 (Tabandeh et al., Retina., 26(9):1063-9, 2006; Zayit-Soudry et al., Survey of Ophthalmology, 52(3):227-43, 2007)、視覚機能の喪失および血液網膜関門漏出が挙げられるがこれに限定されない。さらに、RPEの障害は、増殖性硝子体網膜症(Lee J.J. et al., Investigative Ophthalmology & Visual Science, 43(9):3117-24, 2002)、加齢性黄斑変性症(AMD) (Zarbin M.A., Archives of Ophthalmology, 122(4):598-614, 2004; Feher J. et al., Neurobiology of Aging, 27(7):983-93, 2006)、網膜色素変性、糖尿病性網膜症、黄斑変性および脈絡膜血管新生(Imamura Y. et al., Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 103(30):11282-7, 2006; Tabandeh H., et al., Retina, 26(9):1063-9, 2006)等が挙げられるがこれに限定されない様々な疾患をもたらし得る。] [0020] 「RPE障害に関連する疾患/障害を処置する」または「RPE障害に関連する疾患/障害の処置」なる語は、RPE障害に関連する疾患/障害、その疾患/障害の症状、またはその疾患/障害になりやすい傾向を有する患者に対して、その疾患、その疾患/障害の症状、またはその疾患/障害になりやすい傾向の、治癒、修復、軽減、緩和、改変、救済、改善、改良、または影響を及ぼすことを目的として、本明細書に記載の黒大豆産物の適用または投与することを意味する。] [0021] 本明細書において用いられる「有効量」なる語は、それを必要とする患者に対して1またはそれ以上の他の活性成分を投与することで、その患者に対し治療効果をもたらすに必要な各活性成分の量を意味する。当業者に認識されているように、この有効量は、投与経路、使用する添加剤および他の活性成分の併用によって変わる。本発明によれば、有効量は、網膜色素上皮の機能を高めるのに効果的な量を意味する。] [0022] 本発明は、網膜色素上皮(RPE)障害に関連する疾患または障害を治療するための方法であって、それを必要とする患者に有効量の黒大豆(Glycine max (L.) Merr)産物を投与することを含んでなる方法を提供する。本発明によれば、黒大豆産物は黒大豆の種皮、または黒大豆のまたはその種皮のアルコール抽出物である。黒大豆産物は当分野で周知または一般的に用いられている任意の方法によって調製することができる。] [0023] 本発明の一例では、黒大豆産物は黒大豆の種皮であり、例えば、脱穀機で黒大豆から種皮を直接脱穀し、細かく粉砕してよい。] [0024] 本発明の一例では、黒大豆産物は黒大豆のまたはその種皮のアルコール抽出物であってよい。アルコール抽出物は、任意の標準的なまたは当業者に一般的に用いられている方法によって得ることができる。例えば、抽出物は、黒大豆またはその種皮をアルコールを含有する溶媒(例えばエタノールまたはメタノールを10〜100%(v/v)の濃度で含有する溶媒)で抽出することにより調製することができる。具体的な例では、黒大豆抽出物は黒大豆を、適当な温度にて十分な時間アルコールを含有する溶媒に浸漬した後、不溶性の豆物質を、例えば濾過、により取り除いて液体の黒大豆抽出物とすることにより得られる。場合により、該産物を、例えば留去により、さらに乾燥して乾燥形態の産物を得ることができる。アルコールを含有する溶媒は10〜100%(v/v)のアルコール、および他の1またはそれ以上の適当な溶媒(例えば、水エタノールまたはメタノール)を含有する溶媒であってよい。本発明の例では、アルコールを含有する溶媒は、水にエタノールを含有する溶媒である。さらに好ましくは、溶媒は、水に少なくとも10%(v/v)のエタノールを含有し、より好ましくは水に35%(v/v)のエタノールを含有する。本発明の具体的な例では、抽出物は以下のステップ (1)黒大豆(ホール)またはその種皮を準備する、 (2)該黒大豆(ホール)またはその種皮を、水に35%(v/v)のエタノールを含有する溶媒で抽出する、 (3)得られた可溶性画分を回収する、および場合により、 (4)回収した可溶性画分を乾燥する を含んでなるプロセスにより調製した。] [0025] 本発明によれば、予想外にも、黒大豆産物が網膜色素上皮の機能を高めるのに効果的であることが見出され、このことは、実施例2に示されるようにRPEの食作用の能力の増大(MayersonおよびHall, The Journal of Cell Biology, 103:299-308, 1986)、本明細書の実施例3および4に示されるように、眼科的な欠陥を有するマウスモデルにおいてb波の修復能力(Thom W. Mittag et al., Exp Eye Res., 69:677-683, 1999)に関して、当分野で一般的に用いられ周知の方法またはモデルによって確認された。従って、本発明はRPE障害に関連する疾患または障害を治療するための方法であって、上記黒大豆産物の有効量をその治療を必要とする患者に投与することを含んでなる方法を提供する。] [0026] 本発明の黒大豆産物は食品、食餌組成物または医薬組成物の形態であってよい。一例では、黒大豆産物を製薬的に許容し得る担体または添加剤、および場合によりさらなる治療活性成分と混合して、医薬組成物を形成してもよい。医薬組成物に適した担体または添加剤は、その組成物の活性成分に適合し(および、好ましくは、活性成分の安定化が可能な)、治療される患者に有害でないという意味において「許容し得る」ものでなければならない。担体の例としては、コロイド状酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、D&Cイエロー#10、微晶性セルロース、マンニトール、グルコース、脱脂粉乳、ポリビニルピロリドン、およびデンプン、またはそれらの組合せが挙げられる。医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、粉体または液体の様々な形態で存在し得る。] [0027] 本発明によれば、上記組成物は、適当な経路(例えば、経口投与)で投与することができる。経口投与のための固形製剤は、コーンスターチ、ゼラチン、ラクトース、アカシア、スクロース、微晶性セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、アルギン酸等の適当な担体を含み得る。この固形製剤は、小腸で放出するように設計することができる。例えば、組成物をそれぞれ小腸または大腸のpHで溶解または分散して薬物を腸で放出する腸溶ポリマーを含んでなるマトリクスまたは壁または密閉容器(closure)を有する固形のサブユニットまたはカプセルコンパートメントに密閉する。] [0028] 更なる例では、本明細書に記載の黒大豆産物は食品または食品サプリメントの一成分である(例えば、栄養補助食品またはハーブ製品)。そのような食品は食品工業において任意の標準的で一般に用いられている方法により製造することができる。] [0029] これ以上詳述しなくても、当業者は上記の説明に基づいて、本発明を最大の程度まで利用することができると考える。従って、以下の具体的な実施形態は、単なる例示と解釈されるべきであり、如何なる意味においても残りの開示に限定を加えるものではない。本明細書において引用した刊行物はすべて本明細書の一部を構成する。] [0030] 実施例1:黒大豆産物の調製 はじめに、黒大豆産物を、黒大豆(ホール)を脱穀機で脱穀し、細かく粉砕して黒大豆の種皮を得ることにより、調製した(BGSC)。] [0031] もう一つの黒大豆産物は、黒大豆(ホール)2kgを、20Lの35%(v/v)エタノール水溶液で抽出し、104.15gのエタノール抽出物(BG35E)を得ることにより、黒大豆(ホール)から調製した。] [0032] 3つ目の黒大豆産物は、小型試験用脱穀機で黒大豆の種皮を脱穀し、種皮を回収し、得られた種皮を、35%(v/v)のエタノール水溶液で抽出して117.25gの粗製抽出物(BGSC35E)を得ることにより、黒大豆の種皮から調製した。] [0033] 実施例2:RPEの食作用に対する黒大豆抽出物の効果(BG35EおよびBGSC35E) RPEの調製 新鮮なウシの眼を、屠殺後2〜3時間以内に畜殺場から集めた。ウシの眼の表面をヨードチンキで殺菌した後、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)バッファー溶液で2回洗浄した。ウシの眼を切開して水晶体、硝子体および網膜を順に取り出し、切開した眼を0.01%EDTA(エチレンジアミン四酢酸、Sigma、USA)で40分間処理した後、5%トリプリシン(Merck, Germany)で15分間処理した。次いで、眼を丸いチップの付いたピンセットで軽く押し数回ピペッティングすることによりRPEの単細胞を得た。ピペットに取った溶液をDMEM(10%FCS(ウシ胎児血清,GIBCO (Gaithersburg, USA)を含有するDulbecco修飾Eagle培地, Gibco (Gaithersburg, USA))に加え、湿度5%CO2、37℃のインキュベーター内でインキュベートした。細胞がコンフルエントになるまで培地を5〜6日毎に交換した。細胞を、0.05%トリプシンおよび0.02%EDTAを含有する培地で継代培養した。生物活性試験に用いた主な細胞は5または6継代目の細胞とした。] [0034] 桿体外節(ROS)の調製 新鮮なウシの眼を氷で冷やし、畜殺場から入手後30分間光に暴露した。ウシの眼の表面をヨードチンキで殺菌した後、Hankバッファー溶液で2回洗浄した。ウシの眼を切開して水晶体および硝子体を順に取り出した後、網膜を取り出し、小片に切り分け、これを20%スクロースを含有する20mM Tris−HClで処理した。細胞の溶液を4℃にて3時間攪拌した後、それぞれ孔サイズ300、220、110、74、53および10メッシュのフィルター(Small Parts , Miami, USA)で濾過した。ROSの数を計測した後、ROSを各バイアル当たり1×108個に分注し、バイアルを−20℃で保存した。] [0035] フルオレセインイソチオシアネート−ROS(FITC−ROS)の調製 保存したROS溶液を解凍し、懸濁物を除去した。得られた溶液を、10%スクロースを含有するホウ酸緩衝液(pH8.0)700mLと混合した後、FITC粉末(Invitrogen, USA)を、ROSに対し1/1,000の重量比で添加した。得られた溶液を4℃にて1.5時間攪拌した。ROSに結合しなかった未結合のFITCは、20%スクロースを含有する20mMTris−酢酸(pH7.2)で洗浄することにより除去した。次いで、このROS溶液を10,000rpmにて10分間遠心した。上記の関係するステップを数回繰り返し、FITC−ROSのペレットを得た。最後に、このペレットを、2.5%スクロースを含有するDMEMに溶解した。] [0036] in vitoroでのRPE食作用の能力の試験 RPEを1×104細胞/mlに調整し、10%FCSDMEMを含有する96ウェルプレートに播種した。48時間インキュベートした後、培地を2%FCS DMEMに置換し、BG35EまたはBGSC35Eのいずれか20μLを、0.1、1、10または100μg/mLの濃度で各ウェルにそれぞれ添加した。さらに、ポジティブコントロールとして10%FCSをウェルに添加し、ブランクのウェル(2%FCSを添加)をコントロールとした。1日インキュベートした後、20μLのFITC−ROS溶液を各ウェルに加え、4時間インキュベートした。インキュベーション後、上清を除き、各ウェルについてペレットを得た。各ウェルのペレットを2.5%スクロース/PBSで数回洗浄した。次いで、全ROS(外部および内部)をCyto-Fluorometer (Ex fliter: 485/20 nm, Em filter 530/25 nm)により計数した。さらに、外部で結合したFITC-標識ROSをFluoroQuench Dyeを添加することにより除去した後、貪食されたROS(摂取食作用)を測定した。] [0037] 結果 図1Aに示されるように、100μg/mLのBG35Eで処置したROS−FITCの総食作用指数はコントロールの2%FCSで処置したROS−FITCと比較して1.25倍高かった。一方、10μg/mLのBG35Eで処置したROS−FITCは、コントロールの2%FCSで処置したROS−FITCと比較して1.5倍高かった。図1Bに示されるように、1μg/mLのBG35Eで処置したROS−FITCの摂取食作用指数は、コントロールの2%FCSで処置したROS−FITCと比較して1.24倍高かった。0.1μg/mLのBG35Eで処置したROS−FITCの摂取食作用指数は、コントロールの2%FCSで処置したROS−FITCよりも高かった。] 図1A 図1B [0038] 図2Aに示されるように、ROS−FITCを黒大豆の種皮の抽出物(BGSC35E)でインキュベートしたとき、同様の結果がみられた。10μg/mLのBGSC35Eで処置したROS−FITCにおける総食作用指数は、2%FCSで処置した場合と比較して1.37倍高かった。さらに、1μg/mLのBGSC35Eで処置したROS−FITCの総食作用指数は、コントロールの2%FCSで処置した場合と比較して1.55倍高かった。図2Bを見ると、10μg/mLのBGSC35Eで処置したROS−FITCにおける摂取食作用指数はコントロールの2%FCSで処置した場合と比較して1.26倍高く、1μg/mLのBGSC35Eで処置したROS−FITCの摂取食作用指数は、コントロールの2%FCSで処置した場合と比較して1.55倍高かった。結果として、図1および図2では、黒大豆抽出物(BG35E)または黒大豆種皮抽出物(BGSC35E)とインキュベートした後に、RPEの食作用の能力が増大したことがみとめられた。] 図2A 図2B [0039] 実施例3:眼科的欠陥を有するマウスモデルにおける黒大豆抽出物(BGSC35E)の効果 マウス網膜電図(ERG)モデル BALB/c雄性マウス(10週齢)を、正常群(健常マウス)、対照群(光による損傷、BGSC35E処置なし)、用量10mg/kg(体重)のBGSC35Eで処置した群(BGSC35E 10mg/kg)、用量40mg/kg(体重)のBGSC35Eで処置した群(BGSC35E 40mg/kg)、または用量160mg/kg(体重)のBGSC35Eで処置した群(BGSC35E 160mg/kg)に無作為にグループ化した。各群のマウスを5匹とし、餌と水を十分に与えた。BGSC35E処置の最初の日を第0日とした。−1、1、7、13および19日目にa波およびb波の振幅をERGにより測定した。] [0040] −5日目に、試験のために、光に正常に反応したマウスを選択した。−1日目に、マウスを暗所で24時間飼育した。アベルチンを(400mg/kg(体重))を腹腔内投与して麻酔した後、マウスを加温パッドに置いて体温を維持した。1%シクロペントレートで瞳孔を開大させ、1%プロパラカインで麻酔した。各マウスについて、金線ループ電極を角膜に配置し、金線示差電極を舌に配置した。参照電極は頭部に取り付けた。マウスの眼を6ボルトのLED光(波長500−575nm、強度5,000ルクス)に1ミリ秒暴露した。マウスのa波およびb波の振幅をERGにより測定し、通常の条件下および光の暴露から2時間後に記録した。] [0041] 結果 図3Aに示されるように、用量40mg/kgおよび160mg/kgのBGSC35Eで処置したマウスはa波を修復する能力を有していた。用量40mg/kgまたは160mg/kgのBGSC35Eで処置したマウスの第13日目のa波の強度は、第1日目の強度と比較して150%を超える増大が認められた。用量160mg/kgのBGSC35Eで処置したマウスの第19日目のa波の強度もまた、第1日目の強度と比較して150%を超える増大が認められた。] 図3A [0042] 図3Bに示されるように、対照群と用量40mg/kgおよび160mg/kgのBGSC35Eで処置したマウスはb波を修復する能力を有することが認められた。対照群と用量40mg/kgまたは160mg/kgのBGSC35Eで処置したマウスの第13日目および第19日目のb波の強度は、第1日目と比較して増大していることが認められた。用量40mg/kgのBGSC35Eで処置したマウスの第7日目のb波の強度もまた、第1日目と比較して有意に増大していることが認められた(p<0.001)。上記から、BGSC35Eで処置したマウスは異常なERG状態を修復する能力を有していた。このことはBGSC35EがRPE機能の増大に効果を有しており、眼疾患の治療に用いることができることを示している。] 図3B [0043] 実施例4:眼科的欠陥を有するモデルマウスにおける黒大豆種皮(BGSC)の効果 マウス網膜電図(ERG)モデル BALB/c雄性マウス(10週齢)を、正常群(健常マウス)、対照群対照群(光による損傷、BGSC処置なし)、用量80mg/kg(体重)のBGSCで処置した群(BGSC 80mg/kg)または用量250mg/kg(体重)のBGSCで処置した群(BGSC 250mg/kg)に無作為にグループ化した。各群のマウスを5匹とし、餌と水を十分に与えた。BGSC処置の最初の日を第0日とした。−5、0および15日目にb波の振幅をERGにより測定した。] [0044] −5日目に、試験のために、光に正常に反応したマウスを選択した。−1日目に、マウスを暗所で24時間飼育した。アベルチンを(400mg/kg(体重))を腹腔内投与して麻酔した後、マウスを加温パッドに置いて体温を維持した。1%シクロペントレートで瞳孔を開大させ、1%プロパラカインで麻酔した。各マウスについて、金線ループ電極を角膜に配置し、金線示差電極を舌に配置した。参照電極は頭部に取り付けた。マウスの眼を6ボルトのLED光(波長500−575nm、強度5,000ルクス)に1ミリ秒暴露した。マウスのb波の振幅をERGにより測定し、通常の条件下および光の暴露から2時間後に記録した。] [0045] 同じプロトコルに従い、40、160または640mg/kg(体重)の用量のBGSCでマウスを処置し、正常群および対照群を試験した。−4、2、9および16日目にマウスのb波の振幅をERGにより測定した。] [0046] 結果 図4Aに示されるように、用量80mg/kgおよび250mg/kgのBGSCで処置したマウスはb波を修復する能力を有していた。用量80mg/kgのBGSCで処置したマウスの第15日目のb波の強度は、第0日目の強度と比較して有意に増大していることが認められた(p<0.05)。] 図4A [0047] 図4Bに示されるように、用量40mg/kg、160mg/kgまたは640mg/kgのBGSCで処置したマウスはb波を修復する能力を有することが認められた。用量160mg/kgまたは640mg/kgのBGSCで処置したマウスの第9日目および第16日目のb波の強度は、第2日目と比較して増大していることが認められた。上記から、BGSCで処置したマウスは異常なERGを修復する能力を有していた。このことはBGSCがRPE機能の増大に効果を有しており、眼疾患の治療に用いることができることを示している。] 図4B [0048] その他の実施形態 本明細書中に開示したすべての特徴は、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本明細書中に開示した特徴はそれぞれ、同一、同等、または類似の目的を果たす代替の特徴で置き換えられてもよい。即ち、特に明示しないかぎり、開示した各特徴は、一連の一般的な均等または類似の特徴の一例にすぎない。] 実施例 [0049] 上記の説明から、当業者は、本発明の本質的特徴を容易に突き止め、本発明の精神と範囲から逸脱しない限りにおいて、本発明の様々な変更および修飾を行って種々の用途および条件に適応させることができるであろう。即ち、その他の実施形態もまた特許請求の範囲内にある。]
权利要求:
請求項1 網膜色素上皮(RPE)障害に関連する疾患または障害の治療方法であって、そのような治療方法を必要とするヒトに有効量の黒大豆(Glycine max (L.) Merr)産物を投与することを含んでなる治療方法。 請求項2 必要とするヒトにRPEの機能を高めるのに有効な量の黒大豆産物を投与することを含んでなる請求項1記載の方法。 請求項3 黒大豆産物がRPEの食作用の能力の増大に有効である、請求項1記載の方法。 請求項4 網膜色素上皮に関連する疾患または障害がRPEの機能障害に関連する、請求項1記載の方法。 請求項5 網膜色素上皮障害に関連する疾患または障害が、網膜剥離、視覚機能の喪失、血管網膜関門漏出である、請求項1記載の方法。 請求項6 網膜色素上皮障害に関連する疾患が、増殖性硝子体網膜症、加齢性黄斑変性症、網膜色素変性、糖尿病性網膜症、黄斑変性および脈絡膜血管新生である請求項1記載の方法。 請求項7 黒大豆産物が液体である、請求項1記載の方法。 請求項8 黒大豆産物が乾燥形態である、請求項1記載の方法。 請求項9 黒大豆産物が黒大豆の種皮、または黒大豆のもしくは黒大豆種皮のアルコール抽出物である請求項1記載の方法。 請求項10 黒大豆産物が黒大豆の種皮である、請求項9記載の方法。 請求項11 黒大豆産物が、黒大豆のまたは黒大豆種皮のアルコール抽出物である請求項9記載の方法。 請求項12 前記アルコール抽出物が、黒大豆のまたは黒大豆種皮のエタノール抽出物である、請求項11記載の方法。 請求項13 前記エタノール抽出物が、黒大豆を、水に少なくとも10%(v/v)のエタノールを含有する溶媒で抽出することにより調製される、請求項12に記載の方法。 請求項14 前記溶媒が水に35%(v/v)のエタノールを含有する、請求項13に記載の方法。 請求項15 黒大豆産物を経口投与する請求項1記載の方法。 請求項16 網膜色素上皮(RPE)の食作用を高める方法であって、該細胞を有効量の黒大豆(Glycine max (L.) Merr)産物で処置することを含んでなる方法。 請求項17 黒大豆産物が黒大豆の種皮、または黒大豆のもしくは黒大豆種皮のアルコール抽出物である請求項16記載の方法。 請求項18 黒大豆産物が、黒大豆のまたは黒大豆種皮のアルコール抽出物である請求項17記載の方法。 請求項19 前記アルコール抽出物が、黒大豆のまたは黒大豆種皮のエタノール抽出物である、請求項18記載の方法。 請求項20 前記エタノール抽出物が、黒大豆を、水に少なくとも10%(v/v)のエタノールを含有する溶媒で抽出することにより調製される、請求項19に記載の方法。 請求項21 前記溶媒が水に35%(v/v)のエタノールを含有する、請求項20に記載の方法。
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